大雨による浸水被害 家屋浸水後のカビ対策・消毒

BMSSニュース 2023年7月号

川は微生物の力を利用して自然の浄化を行っています。
しかし、大雨が降ると、上流から土砂を含んだ水が押し寄せ、川の浄化作用を上回る汚れた水が流れてきます。
この水は大量の細菌と微生物を含んでおり、中には人体に害を及ぼす菌(例えば肺炎を引き起こすレジオネラ菌など)も混ざっています。

地球温暖化が原因かは確証はありませんが、日本が亜熱帯化している可能性があり、その影響で降水量が増え、短時間で大量の雨が降るようになりました。

大雨に対して街の排水処理が追いつかず、床下浸水や床上浸水の被害が頻発しています。

家屋浸水のリスクとその対策

雨水は多くの微生物と細菌を運び、大雨により川が氾濫して家屋が浸水すると、トイレの汚水も混ざり込む危険性があります。
家具や床が長時間浸水すると、カビが繁殖しやすくなります。
カビはこれらの細菌を栄養源にして増殖するため、浸水した家屋は消毒する必要があります。

大雨による浸水後の消毒のポイント

洗浄

川の水や泥を洗い落とすことが重要です。
流れ込んだ水は無数の細菌を含んでいるためです。
洗うことで回復が見込めない場合、例えばたっぷりと水を吸い込んでしまった物は、安全のために廃棄することをおすすめします。

消毒

厚生労働省のサイトでは、消毒には次亜塩素酸ナトリウムを使用することを推奨しています。
しかし、浄化槽や生活排水からの汚染物が混ざっている場合、実務経験上、有機物を除去する能力を持つ除菌クリーナーの使用をおすすめします。

乾燥

物品や建物を完全に乾燥させることが重要です。
特に太陽光による乾燥は、除菌にも大きな効果があります。

建物が床上浸水した場合でも、完全に乾燥させて除菌することは重要です。
しかし、それでもカビの発生を完全に防ぐことは難しいです。

可能であれば、浸水した床材や壁紙は全て剥がし、下地を消毒して完全に乾燥させた後に新しく貼り替えることが最良の対策となります。