手洗いが感染予防になぜ有効なの?正しい知識でウイルス対策をしましょう

BMSS202006

BMSSニュース 2020年6月号

新型コロナウイルスの感染拡大により、今までにない程「ウイルス」や「除菌」を意識した行動をされていると思います。
ここでは、ジョンズ・ホプキンス大学の情報発信を一部引用して、新型コロナウイルスについて情報共有させていただきます。
ジョンズ・ホプキンス大学は世界で最も進んだ医療体制を持つことで有名な大学であり、医学情報の最先端を走る大学です。

そもそも、ウイルスとは何か?

ウイルスとは?

ウイルスは生物ではなく、何層もの脂質(脂肪)でできた保護膜に覆われたタンパク質分子(DNA)です。

このウイルスが、眼・鼻・または口の粘膜に付着すると、突然遺伝コードが変異し倍々方式で増え侵略します。
ウイルスは、生物ではなくタンパク質のため、殺すことはできませんが、自然に崩壊(減衰)します。
ウイルスが崩壊する時間は温度・湿度・どこ(何)に付着したかにより異なります。

手洗いが有効な理由は?

本来ウイルスはとても壊れやすいのですが、脂質でできた何層もの膜に覆われていることが問題でこの脂質の保護膜を取り除く必要がでてきます。
脂質の保護膜を破壊することができる「石けん」や「洗浄剤」は有効な訳です。
破壊するためには、石けんをたっぷりと泡立てて20秒以上こする必要があります。
保護膜を破壊することによりウイルスたんぱく質は自然に減衰し崩壊していきます。

ポイント

熱は脂質を溶かすため、25度以上の水で手や衣服、その他を洗うことが有効です。暖かい水は泡立ちがよいため、より有効なのです。

アルコール除菌が有効なのは何故?

アルコールとアルコールを65%以上含むものは脂質を分解します。
特にウイルスの外側のタンパク質の層を分解します。

アルコール度数の高いお酒でも大丈夫?

アルコール度数の高いお酒、例えばウォッカなどはウイルス対策には役立ちません。
強いウォッカでもアルコール度数は40%です。
ウイルスを破壊するためには、65%以上のアルコール度数が必要です。

殺菌剤はどうなの?

殺菌剤、抗生物質は役立ちません。
ウイルスはバクテリアなどの生物ではないため抗生物質で殺すことはできません。

室内の環境はどうしたら良いの?

ウイルスは冷たい空気、寒い空間や家や車などエアコンがある場所では安定した状態で残存します。
また、湿気と暗さはウイルスの残存を促します。
逆に乾燥した暖かい、明るい環境は勢いを墜落させます。

携帯品・身の回りのモノで気をつけることは?

食べ物・鍵・ドアノブ・スイッチ・リモコン・携帯電話・時計・パソコン・机・テレビ・トイレなどを触る前、触った後も手洗いが必要です。

服やシーツ、布を振ってはいけません。
使用、未使用に関わらず、表面に張り付いた状態では不活性なので勝手に時間がくれば分解するからです。
しかし、これを振ったりハタキを使用すると、最大3時間空気中にウイルスが浮遊し、鼻などに付着してしまいます。

ウイルス対策で手を洗うことは非常に多くなりますが、手の保湿をすることも重要です。
乾燥による肌のひび割れにウイルスが隠れ潜む可能性もあるためです。
また、爪の中にウイルスが隠れることを防ぐために、爪も短くしましょう。