家庭用洗剤のph値って何?洗剤の選び方を種類・特徴・使い方から解説!
2023年3月8日

家庭用洗剤のph値って何?洗剤の選び方を種類・特徴・使い方から解説!

BMSS
BMSS

こんにちは!静岡県清水町のビルメンテナンス会社 静城産業です。

「洗剤のpHって気にしていますか?」

洗剤のパッケージに記載されているpH(ペーハー)値は、掃除の効果や汚れの落とし方に大きく関係しています。
pH値を知って使い分けることで、汚れに合った掃除ができるだけでなく、素材を守りながら掃除ができます。

今回は、各洗剤の特徴と使用する場所を紹介します。
特に洗剤に表記されているpH値から洗剤の特徴を解説します。

適切な洗剤を選ぶことで、効果的な掃除だけでなく環境にも配慮することができますよ。

家庭用洗剤のpH値とは?基本をわかりやすく解説

pH値とは、「酸性」「中性」「アルカリ性」を示す指標で、0から14の数値で表されます。
0に近くなるほど酸性が強く、14になるほどアルカリ性が強くなることを示しています。

PH値を酸性・中性・アルカリ性の成分を示す表

pH値が洗剤の効果に与える影響

  • 酸性(0〜2)・弱酸性(3〜5)
    酸性洗剤は、特に水垢や石鹸カス、金属のサビなどのアルカリ性汚れに強力な効果を発揮します。
  • 中性(6〜8)
    中性洗剤は肌に優しく、衣類や食器など幅広い用途に対応できる万能タイプの洗剤です。
  • 弱アルカリ性(9〜11)、アルカリ性(12〜14)
    アルカリ性洗剤は、油汚れや皮脂汚れなど酸性の汚れに対して強力な洗浄力を発揮します。

pH値が適切でない洗剤を使用すると、汚れが落ちにくかったり、素材を傷つけたりする可能性があります。そのため、汚れの種類や掃除する場所に応じたpH値の洗剤を選ぶことが大切です。

業務用では、溶剤性洗剤があり、機械油などの頑固な汚れを落とすために使用されます。

BMSS
BMSS

pHの値で洗剤の種類がわかりますね!

家庭用洗剤のpH値早見表|弱酸性・中性・アルカリ性を比較

以下の表は、家庭用洗剤のpH値の分類と用途をわかりやすくまとめたものです。
この早見表を参考に、掃除のシーンに合わせた洗剤を選びましょう。

pH値の分類洗剤の種類得意な汚れ用途例
0~2酸性洗剤水垢、石鹸カス、尿石トイレ掃除、浴室の鏡やタイル
3〜5弱酸性洗剤軽いホコリ、デリケートな素材衣類の手洗い、木製家具の掃除
6〜8中性洗剤軽い泥汚れ、ホコリ食器、家具、カーペット掃除
9〜11弱アルカリ性洗剤軽度の油汚れ、皮脂汚れキッチン周り、衣類の襟元や袖口
12〜14アルカリ性洗剤頑固な油汚れ、焦げ付き換気扇、フライパンの掃除

pH値別!家庭用洗剤の種類と使い方

家庭用洗剤には、pH値に応じて様々な種類が存在し、それぞれ適した用途があります。
酸性、弱酸性、中性、弱アルカリ性、アルカリ性に分類される洗剤の特徴と使い方について解説します。

家庭用洗剤

酸性洗剤の特徴と使い方

酸性洗剤は、pH値が6未満の洗剤で、水垢や石鹸カスなどのアルカリ性汚れに特化しています。
トイレや浴室などの掃除でよく使用される洗剤です。

酸性洗剤は即効性がないので、塗布後しばらく放置してからこすり取ります。
ただし、鉄に使用すると錆びてしまうため、注意が必要です。また、タイルの目地、コンクリート、石などには使用できません。

BMSS
BMSS

酸性洗剤は、特定の用途に適しているため、使用する前にラベルを必ず確認し、適切に扱うようにしてください。

酸性洗剤が得意とする汚れ
  • 水垢やカルシウム汚れ(浴室の鏡やシャワーヘッドなど)
  • 石鹸カス(浴槽や洗面台など)
  • トイレの尿石汚れ
使用する際の注意点
  • 金属部分に使用しない:酸性成分が金属を腐食させることがあります。
  • 換気を徹底:刺激臭が強い場合があるため、使用時は窓を開けるか換気扇を使いましょう。
  • 塩素系洗剤と併用しない:有毒ガスが発生する危険があります。

クエン酸について

クエン酸の特徴はアルカリ性の汚れ洗浄に適しており、食品や清掃用品、医療品など多くの用途に使用されています。最近ではドラッグストアでも見かけます。

クエン酸を使用する時は、ぬるま湯2リットルに対してクエン酸大さじ1で使用すると、アルカリ性の汚れを効果的に落とせますが、取り扱いには十分注意しましょう。

塩素系の洗剤とクエン酸を混ぜると有害ガスが発生し危険です。絶対に混ぜないようにしましょう。また、使用後は丁寧に水洗いしましょう。

衣類の手洗い

弱酸性洗剤の効果とおすすめの掃除場所

弱酸性洗剤は、pH値が3〜5の間にあり、肌や素材に優しい成分が特徴です。

アルカリ性洗剤や酸性洗剤と比較して、表面に対する刺激や腐食性が低く、環境にも優しいため、食器、衣類、ハウスクリーニングなど幅広い用途で使用されています。
酸性成分を含む食器用洗剤よりも弱酸性洗剤の方が食器を傷めにくく、食品との反応も起こりにくいことから人気があります。
ただし、比較的洗浄力が弱いため、頑固な汚れには限定的な効果となる場合があります

おすすめの用途
  • 衣類の手洗い(デリケート素材の衣類など)
  • 木製家具やフローリングの掃除
  • 手肌に優しいため、敏感肌の方にもおすすめ
食器洗い 中性洗剤

中性洗剤のメリットと用途別活用方法

中性洗剤は、pH値が6〜8の間に位置する、家庭用洗剤の中でも最も汎用性の高い洗剤です。
手肌に優しく、台所用洗剤や食器用洗剤、家具掃除用洗剤など多くの製品が中性タイプです。

用途の広い洗剤ですが、洗浄力がやや弱いのが欠点です。

強アルカリ性洗剤や強酸性洗剤と比較すると洗浄力は劣りますが、日常掃除では十分な効果を発揮します。
中性洗剤は、建材や家具を傷めることが少ないため、安心して使用できます。
強い汚れやシミには効果が限られるため、別の洗剤を使用する必要があります。

中性洗剤の用途
  • 食器洗い:ガラスや陶器、プラスチック製品に最適。
  • 家具掃除:ダイニングテーブルやチェア、キャビネットなどの掃除に使用。
  • 家電製品:テレビやリモコンなど、プラスチック製の家電掃除にも使えます。
換気扇の掃除

弱アルカリ性洗剤 頑固な汚れに最適

弱アルカリ性洗剤は、pH値が9〜11で、油汚れや皮脂汚れなど、酸性の汚れに強い効果を発揮します。
キッチンやダイニング周りの掃除に重宝される洗剤です。

一般的に多くの建材に使用でき、軽い油汚れも効果的に落とすことができます。
汚れを落とした後は、しっかりと洗剤を落としてください。

主に使用する場所
  • 換気扇やコンロ周りの掃除
  • フライパンや鍋の焦げ付き除去
  • 衣類の襟元や袖口の皮脂汚れ落とし
使用する際の注意点
  • 一部のデリケートな素材(ウールやシルクなど)には使用を避けてください。
  • 水ですすぎを十分に行わないと、アルカリ成分が残ることがあります。

重曹

重曹(重炭酸水素ナトリウム)は、酸を中和する効果があり、キッチンやお風呂場などの掃除に広く使用されています。
油汚れを落とす効果が高く、中性洗剤と比べて環境にやさしいという特徴もあります。
比較的安価にドラッグストアなどで購入できるため、多くの方が使用している掃除用品でもあります。

セスキ炭酸ソーダ

アルカリ電解水に加えることで作られるアルカリ性洗剤で、主に酸性の汚れを落とすのに適しています。重曹の10倍程度のアルカリ性を持ち、強力な汚れ落とし効果が期待できます。
油汚れやカビ、水垢などの頑固な汚れを落とすことができ、消臭効果も期待できます。

キッチンの油汚れ掃除

アルカリ性洗剤の強力な効果と注意点

アルカリ性洗剤は、pH値が12〜14の間に位置し、酸性汚れに対して最も強力な効果を発揮します。

アルカリ性洗剤は非常にアルカリ性が高く、頑固な油汚れを落とすことができます。
特に、レンジ周りや換気扇フィルターなどの汚れに効果的です。
ただし、肌を傷めるおそれがあるため、必ずゴム手袋を着用して使用しましょう。
また、汚れがひどい場合はつけ置き洗いをすることで、より効果的に汚れを落とすことができます。

アルカリ性洗剤が得意とする汚れ
  • 油汚れ(換気扇、コンロ周りの頑固な汚れ)
  • 焦げ付き(フライパンや鍋の焦げ)
  • 頑固な皮脂汚れ(衣類や布製品のシミ)
使用する際の注意点
  • 使用する際はゴム手袋を着用し、肌への刺激を防ぎましょう。
  • 強力な成分のため、換気を徹底してください。

溶剤性洗剤

洗剤に溶剤を混ぜたもので、油汚れやカビなど頑固な汚れを効果的に落とすことができます。
しかし、その溶剤が人体に有害であるため、使用する際は注意が必要です。特に、塩化ビニールやラバーには使用できないため、素材に注意が必要です。

酸性洗剤や酢と混ぜると、塩素ガスを発生させるため、大変危険です。使用する際は、必ず換気を行い、適切な量を使用しましょう。
カビ取り用洗剤は、安全のために塩素系漂白剤より濃度が薄く、泡やジェル状にスプレーすることで飛び散るのを防いでくれます。

主に使用する場所

キッチン・お風呂

洗剤を使うと汚れが落ちる理由

家庭用洗剤とスポンジ

水は表面張力が強くしみこみにくいため、界面活性剤として洗剤の浸透作用で汚れとなじませる必要があります。
汚れの中の油分と水がなじんだところを、洗剤の分散作用で取り込んで剥がし、洗い流すのが基本的な仕組みです。
界面活性剤は水になじむ親水基と油になじむ親油基の両方を持っているため、水と油・汚れを繋ぐことができるのです。

洗剤濃度が濃いほど汚れが落ちるかというと、そうはいきません。

界面活性剤の濃度がある程度以上になると、界面活性剤同士が凝集して繋がりミセルを形成し、水と油・汚れが繋がらなくなるからです。
この濃度を臨界ミセル濃度と呼びます。
薄めて使うタイプの洗剤を使用する場合は、濃度に十分注意しましょう。

用語解説
分散作用
界面活性剤の分子に取り囲まれて、油分が水中で浮遊分散する作用です。
ミセルを形成
界面活性剤の分子が凝集して構造を作り、水と油をつなげる働きが弱くなる現象。

汚れを効果的に落とす家庭用洗剤の使い方

  1. 浸け置きで効果を高める
    頑固な汚れは、浸け置きが有効です。油汚れの場合はぬるま湯を使うとさらに効果が向上します。
  2. こすり洗いを併用する
    スポンジやブラシを使ったこすり洗いは、洗剤の働きを補助し、汚れを物理的に落とします。
  3. 適切な濃度で使用する
    洗剤を濃すぎる濃度で使用すると素材を傷つけることがあります。必ずパッケージの指示に従いましょう。
  4. 掃除後はよくすすぐ
    洗剤の成分が残ったままだと、素材の劣化や肌トラブルの原因になることがあります。掃除後は十分に水で洗い流してください。

今回のまとめ

家庭用洗剤のpH値に基づく特徴や種類、それぞれの用途について解説しました。
洗剤の成分や特徴を知っていると、洗剤の選び方も楽になるのではないでしょうか。

家庭用洗剤を選ぶ際は、以下のポイントを意識してみてください

  • 洗剤のpH値を確認し、汚れの種類に合ったものを選ぶ。
  • 用途に適した洗剤を選ぶことで、素材を傷めずに汚れを効果的に落とせる。
  • 適切な使い方(浸け置き、こすり洗い、濃度調整)を心がけて、洗剤の力を最大限に活用する。

pH値を意識した洗剤選びを取り入れてみてください!
それでは、今回はこのへんで。