2021年12月28日

働き方改革とビルメンテナンス業界の課題

働き方改革

「働き方改革」

近未来、我が国に訪れる 労働力不足 = 国力低下 に備え、一億総活躍社会を目指しての労働環境を整えるための改革です。

この中のひとつに、長時間労働の解消、仕事時間の効率化があります。
残業時間についても、法令による上限規制を行い、定められた時間の中で効率よく仕事をこなすことが求められます。

お題目は良いし、主旨も理解できます。
しかし、私共のビルメンテナンスには実に難しい課題があります。

働き方改革とビルメンテナンス業界の課題

日常清掃現場をイメージして頂くとわかりやすいと思います。
365日年中無休の商業施設で、1日8時間の清掃があるとしましょう。

仕事の効率化として、作業時間を8時間から7時間に減らす。
となると、オーナー様からは8時間分の作業量が7時間分に減らされて、働く人の賃金も8時間分から7時間分に減らされます。
オーナー様とウチの間も、ウチと従業員の間も時間での契約だからです。

また、残業の上限規制を考えた場合、緊急事態への対応が必要となった時、どうするのでしょう?
4人の清掃チームの1人が病気やケガで欠員した場合、他のメンバーが残業して作業をしないと、欠員分の仕事がこなせません。
お客様にも迷惑がかかります。

人員が潤沢で、代わりの人がいれば良いですが、そもそも労働人口が減っている中での働き方改革です。代われる人が簡単にいるはずもありません。
今いるメンバーで補うしかないのに、残業は許さんとなると、業務が遂行できません。

ビルメンテナンス、中でも当社が主に手がけるビルクリーニングは「人の手」で作業を行います。

だだっ広い空港や駅の清掃であれば、ロボットや自動洗浄機を導入するなどの効率化も可能ですが、我々、中小ビルメン会社の規模では、そのような機械化できる環境もまずありません。

1人の人間ができる作業量に大差はありません。
そういう意味でウチの業界にとって「働き方改革」というテーマは実に難しい課題なのです。

しかしながら、日本国全体のお国としての方針と、今後も労働人口が減少し続ける現実にも向き合わねばなりません。
難しいからできない、では済まない問題なのです。

コロナウイルスが社会を大きく変えてから、我々の業界への期待と重要性はますます上がっています。
「働き方改革」をどう取り組むか。

令和4年、私どもの大いなる課題となりましょう。